# ベトナム人と結婚して変わった私の日本の見方
結婚は人生の大きな転機ですが、国際結婚はさらに視野を広げてくれるものです。私がベトナム人の配偶者と出会い、結婚してから、日本という国を見る目が大きく変わりました。今回は、異文化との融合を通じて気づいた日本の特徴や魅力について綴りたいと思います。
## 家族の絆の価値観
ベトナムの家族観に触れて最初に感じたのは、家族の結びつきの強さです。ベトナムでは拡大家族が一緒に住むことが多く、祖父母から孫まで複数世代が共に暮らしています。日本では核家族化が進み、個人主義的な側面が強くなっていますが、ベトナムの家族のあり方を目の当たりにして、日本の昔ながらの家族の絆の大切さを再認識しました。
配偶者の家族と過ごす中で、日本でも大切にされていた「家族の時間」の重要性を思い出し、実家の両親とより頻繁に連絡を取るようになりました。
## 食文化の豊かさ
ベトナム料理は香辛料や新鮮なハーブをふんだんに使い、酸味・辛味・甘味のバランスが特徴的です。フォーやバインミーなどの料理に親しむようになってから、改めて日本料理の繊細さや季節感の表現に気づかされました。
和食の「うま味」という概念は世界的にも珍しく、出汁の文化は日本独自のものです。毎日の食事で異なる文化の料理を楽しみながら、日本食の奥深さを再発見しています。
## 時間や約束に対する感覚
日本人の時間に正確な文化は世界的にも有名ですが、ベトナムではより柔軟な時間感覚があります。最初はこの違いに戸惑いましたが、次第に「時には計画通りに進まなくても良い」という考え方を学びました。
逆に、日本の電車の定時運行や約束時間を守る文化の素晴らしさも、外からの視点で見ることで再評価できるようになりました。今では両方の文化の良さを取り入れ、TPOに応じて使い分けています。
## コミュニケーションスタイル
ベトナム人は一般的にオープンで表現豊かなコミュニケーションスタイルを持っています。対して日本人は「以心伝心」や「空気を読む」文化があり、言葉にしない部分でも意思疎通を図ります。
配偶者との会話を通じて、日本特有の間接的な表現や、言葉にしなくても伝わる繊細なコミュニケーションの価値を認識するようになりました。同時に、より直接的に気持ちを伝えることの大切さも学び、両方のバランスを取れるようになってきたと感じています。
## おもてなしの心
日本の「おもてなし」文化は世界的にも有名ですが、ベトナムにも来客を温かく迎える文化があります。両国の「おもてなし」を比較する中で、日本独自のサービス精神や細やかな気配りの素晴らしさを再認識しました。
例えば、日本のサービス業におけるきめ細やかな対応や、贈り物の包装へのこだわりなど、当たり前に感じていたことが実は特別な文化だったと気づかされます。
## 働き方に対する考え方
ベトナム人の配偶者と生活を共にする中で、日本の働き方について考えさせられることも多くなりました。日本の長時間労働文化と、ベトナムでより重視される家族との時間のバランスの違いは顕著です。
この違いをきっかけに、自分自身の働き方を見直し、ワークライフバランスを意識するようになりました。日本の勤勉さは素晴らしい美徳である一方、休息や家族との時間も大切にする視点を持てるようになったのは大きな変化です。
## 自然との関わり方
四季がはっきりしている日本と、南国のベトナムでは自然環境が大きく異なります。ベトナム人配偶者の目を通して日本の四季を見ると、桜や紅葉、雪景色といった季節の移り変わりの美しさを改めて感じられるようになりました。
日本人が季節ごとの行事や食べ物を通じて自然と共生してきた歴史の深さを、異文化との比較で再認識できたことは貴重な経験です。
## おわりに
国際結婚は時に困難も伴いますが、二つの文化を橋渡しする貴重な機会でもあります。ベトナム人配偶者との生活を通じて、当たり前に思っていた日本文化の価値に気づき、新しい視点で自分の国を見つめ直すことができました。
異なる文化背景を持つ人との結婚は、互いの価値観を尊重し合いながら、両方の文化から学び、より豊かな生活を築いていく旅だと感じています。これからも二つの文化の架け橋として、新たな発見を大切にしていきたいと思います。
外国籍の方との結婚手続きや在留資格について詳しく知りたい方は、専門家への相談も検討されるとよいでしょう。正確な情報を得ることで、国際結婚という素晴らしい選択をより円滑に進めることができます。